町内会の総会とは、地域住民が集まってその年の活動方針や予算を決める、最も重要な会議のことです。会員の投票や合意によって、役員や予算などを決定します。
今回は、総会とは具体的に何をするのか、流れや話すべきセリフ、準備物までまるっと解説していきます。
そもそも町内会の総会とは?
町内会・自治会の「総会」とは、地域全体の重要事項を決定する最高意思決定機関です。
会社で例えるなら「株主総会」のようなもので、主に以下のような議題を扱います。
- 前年度の活動報告と決算報告(集めた会費が正しく使われたか)
- 新年度の事業計画案と予算案(今年度はどんな行事や防災活動を行うか)
- 役員改選(新しい会長や役員を誰にするか)
- 規約の改正や重要案件(町内会費の値上げやルールの変更など)
総会開催の法的義務は?
一般的な町内会や自治会の場合、法律で総会を開くことが義務付けられているわけではありません。
ただし、「団体の種類」や「町内会の規約」によって扱いが変わります。
| 任意団体(一般的な町内会・自治会) | 一般的な町内会・自治会 | 日本の法律上、任意団体に対して「必ず総会を開かなければならない」と直接命じる法律はない |
| 認可地縁団体(法人化している町内会) | 町内会名義で不動産(集会所や土地など)を保有するために、市町村から認められて「法人格」を得ている町内会 | 地方自治法第260条の13によって、「年に1回以上、定時総会を開かなければならない」と明確に定められている |
町内会・自治体の多くは「任意団体」のため総会の義務はありませんが、総会を開かずに役員だけで勝手に決算や事業計画を決めてしまうと、住民とのトラブルが起きやすくなります。
そのため、法律上の義務に関わらず「会員全員の承認を得て透明性を保つ」という目的で総会を開催するのが一般的です。
【町内会・自治会】総会の基本的な進行例
総会は基本的に以下のような流れで進みます。
司会や議長がそのまま使える「定番セリフ」と合わせて紹介するのでぜひ参考にしてください。
- 開会宣言〜会長挨拶
- 定足数の確認
- 議長の選出
- 議案の審議と採決
- 閉会宣言
開会宣言〜会長挨拶
司会が総会の開始を告げ、会長が日頃の協力への感謝を述べます。
【司会のセリフ例】 「皆様、お時間になりましたので、只今より〇〇町内会の『令和〇年度 定時総会』を開会いたします。本日の司会を務めます〇〇です。よろしくお願いいたします。はじめに、〇〇会長よりご挨拶申し上げます。」
定足数の確認
総会が成立しているか(規約で定められた出席人数・委任状の数が集まっているか)を報告します。
【司会のセリフ例】 「本日の出席状況をご報告いたします。当町内会の総会員数〇〇名に対し、本日ご出席の方〇〇名、委任状のご提出〇〇名、計〇〇名となっております。規約第〇条に基づき、本総会が有効に成立しておりますことをご報告いたします。」
議長の選出
議事(審議)を進行する「議長」を選びます。規約で「会長が務める」と決まっている場合と、当日会場から選ぶ場合がありますので規約に従いましょう。
【司会のセリフ例】 「規約に基づき、本日の議長を〇〇さんにお願いしたいと存じますが、皆様いかがでしょうか?(拍手を促す)……ありがとうございます。それでは〇〇さん、議長席へお進みください。」
議案の審議と採決
ここからは議長にバトンタッチし、各議題の報告・提案・採決を行います。
- 第1号議案: 前年度の事業報告・決算報告(+監査報告)
- 第2号議案: 新年度の事業計画案・予算案
- 第3号議案: 役員改選案(該当する年のみ)
【議長のセリフ例(採決時)】 「ただいまの第1号議案について、ご質問・ご意見はございますか?……(質疑応答)……ご質問がないようですので、採決に入ります。本議案にご賛同いただける方は、拍手をお願いいたします。(拍手を確認)……ありがとうございます。過半数の拍手をもって、第1号議案は原案通り可決されました。」
閉会宣言
すべての議題が終わったら、議長から司会へマイクを戻し、閉会を宣言します。新役員が決まった場合は、ここで新役員の挨拶を入れるとスムーズです。
【司会のセリフ例】 「以上をもちまして、すべての議題が終了いたしました。議長、ありがとうございました。以上をもちまして、令和〇年度の定時総会を終了いたします。ご協力ありがとうございました。」
町内会の総会に向けて「事前にやるべきこと」チェックリスト
総会当日に慌てないためには、事前の段取りが8割です。以下のステップで準備を進めましょう。
- 資料の作成と印刷
- 事業報告書・決算書
- 新年度の事業計画案・予算案
- 役員改選案(必要な年のみ)
- 案内状の配布と委任状の回収
- 開催日の2週間前には会員へ配布します。
- 出欠票・委任状の提出期限を設定し、事前集計しておきます。
- 役員の役割分担
- 司会: 全体の進行役
- 議長: 審議・採決の進行役(会長または当日選出された会員)
- 受付: 来場者確認、委任状・出席人数の集計
- 書記: 議事録の作成
- 会場・機材の準備
- 会場(集会所や公民館)の予約
- マイク、プロジェクター、受付用名簿、筆記用具などの手配
町内会の総会における「書面採決」とは?
書面採決とは、会場に集まらず、書面の提出だけで総会の決議をとる仕組みのことです。
通常は公民館などに会員が集まって「賛成の方は拍手を〜」と行いますが、書面採決では各自が自宅で総会資料を読み、「書面表決書」に賛成・反対を記入して提出してもらいます。
委任状との違い
書面採決では、住民全員が書面で自分の賛成・反対の意向を示します。
一方で委任状は、総会の欠席者が判断を代理人に決めてもらうことを承諾するものです。
書面採決が総会に赴かなくとも自分の意見を反映させられる方法であるのに対し、委任状を使うと自分の意見を反映することはできません。
| 書面採決 | 委任状 | |
|---|---|---|
| 投票権 | 住民一人ひとりにある | 代理人に譲渡する(=委任状を使う人に投票権はなくなる) |
| 賛否の意思 | 住民自身が決める | 欠席者が代理人に任せる |
| その他 | 全員が自宅から書面で賛否を決めることが可能 | 委任状(=欠席者)が多いと少数の参加者の意見で決まることになる |
町内会の総会をスムーズに終えるコツ
① 「委任状」をしっかり集めておく
出席者が少なくても総会を成立させるため、案内状を配る段階で「欠席する場合は必ず委任状を出す」仕組みを徹底しておきましょう。
当日急な悪天候でも困らないよう、メールなどで委任状を提出できる仕組みを作っておくと親切です。
② あらかじめ台本を作っておく
司会や議長を担当する人は、セリフをすべて落とし込んだ台本を手元に用意しておくと、当日慌てなくて済むでしょう。
もちろん、台本を読みながらの進行でも構いません。
当日急な体調不良などで欠席しても困らないよう、代理人1~2人に台本を共有しておくことをおすすめします。
③ 厳しい質問には「持ち帰り」も活用する
会場から想定外の意見や厳しいクレームが出た場合、その場で無理に結論を出そうとすると審議が空転します。
「貴重なご意見ありがとうございます。役員会で預かり、次回以降の協議事項とさせていただきます」と丁寧に対応し、総会の進行を優先しましょう。
まとめ
自治会・町内会の総会には基本的な流れがあります。目的を念頭に置いて、台本を作成し、準備万端で臨みましょう。
総会のお知らせや委任状をスムーズに配布するには、電子回覧板がおすすめ。
最近はLINEアカウントやメールアドレスといったプライバシー情報を提供しなくても使える「ビヨンド通知」というシステムもあります。
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